「クロワッサン症候群」の著者の女友だちで、ニューヨークの秘書学校にも留学したことのある短大出の女性が、
外資系医療メーカーの支社長秘書という職を捨てて、青森出身の高卒の男性と平凡な家庭をつくるべく結婚をすることになったというところからその話は始まる。
花嫁姿は二十代こそふさわしいとか、短大出で留学経験のある女性に高卒のモグラタイプの男性は似つかわしくないとか、露骨には書かれていないが、
著者のホンネは読み手の鼻先までプンプン匂ってくる。自分が高卒の人間と結婚する程度の人間であると認めることは、
短大出の留学経験のある女にとって、それほどまでに屈辱的なことなのだろうか。

相手の経歴を気にしますか?しませんか?
友人の結婚にそのような感想しか持てないなんて、この人の人間観ってどうなっているんだろうと思ってしまった。
「もし彼女が二十五歳の時に結婚していたら、今日の花婿より条件的に良い男と一緒になっていたと思うが、今日のような爽やかな気分を持つことはできなかったはずだ。
きっと、傲慢な妻になっていたにちがいない。家があって当然、いい生活をさせてもらって当然、私はキャリア続けたかったのに。
専業主婦に満足できず、どこかに不満をもっている妻になっていたのではないだろうか。
条件的にはいい結婚ができても、本当の意味での幸福をもてなかったかもしれない。ちがった意味のクロワッサン症候群の妻になっていたかもしれない」

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